2018年 算数オリンピック ファイナル

こんにちは。

 

ここ数日半袖が肌寒いし、冷房ももはや完全に不要です。

すっかり季節は秋の様相。食欲の秋ですね。食べても太らないラーメンとか誰か開発してくれないかなと思う日々。

 

さて、今回は新鮮なネタ(2018年度の算数オリンピックの問題)を用意してきました。

このブログでも頻出の手法が使われているシンプルな問題ですので、休憩がてら取り組んで見てください。

 

【問題】難易度:★★★☆☆

AB=ADかつ角ABC+角ADC=180°であるような四角形ABCDにおいて、辺BC上にCP=CDとなるように点Pをとると角ABC:角BAP=9 : 7となった。このとき、角ADCの角度を求めよ。

 

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【解説】↓

YouTubeに簡易版の解説を載せてみました。(2020/08/22)

詳しい解説はいらないや!という方はこちらをご覧ください。


【算オリ入門】算数オリンピック 2018年 ファイナル 【角度の問題】

 

まずはいつも通り"【鉄則その1・図は自分で描く】"

長さも角度も数値で与えられていないので下の図のような手順で描くと良いでしょう。

  1. AB=ADとなるように適当に2本の線を引く。
  2. Dを通る直線を適当に引く
  3. 前の手順で引いた直線に向かってBから直線を引き、交点をCとする(角度に注意)
  4. CP=CDとなる点Pをとる(このとき正確に9:7になってなくても良い)

 

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そして、初期状態のまま情報を書き足すことはできないので"【鉄則その2・数値を書き入れる】】"はスルー。

 

早くも"【鉄則その3・関連性を探る】"のフェーズ。

このブログをお読みの方の中にはピンときている人も多いかもしれません。

AB=ADかつ角ABD+角ADC=180°って、「同じ長さくっつけたら直線(180°)が作れるパターンのやつ」ですね!

 

では早速、辺ABに三角形ADCと同じ形の三角形をくっつけて見ましょう。参考までに角度の異動先も記号で示しておきます。

 

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そうすると、同じ図形をくっつけたわけですから、辺の長さも全て等しいわけです。

下の図の赤線の2辺に着目すると三角形AQCは二等辺三角形。つまり、底角に関して角ACP=▲となります。

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すると、三角形APCも三角形ABQや三角形ADCと同じ形になっていることが発見できます。

 

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すると、合同な図形は対応する辺同士が等しい長さを持つので、三角形ABPはAB=APの二等辺三角形となります。

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よって、角ABP:180°=9:25。つまり、角ABP=64.8°と求められます。

ここで安心して答えにしてしまわないように要注意。求めたいのは?の角度ですから、

?=180°ー64.8°=115.2°となります。

 

算数オリンピックなどのよく練られた図形問題は、与えられた条件が一見複雑でも綺麗に解けるように考えて作られています。

こういうところが普通の算数や数学の問題と違った面白くて気持ちいい部分だと思います。この気持ち良さをみなさんと共有したい一心でブログを書いております。

 

では今日はこの辺でおしまいです。次回以降もお楽しみに。