2009年 算数オリンピック トライアル
こんにちは。
先日は知るカフェの1dayインターンイベント(選考なし!)でLITALICOさんのワークショップに参加し、リタリコワンダーの事業の一つである子供向けのロボットプログラミングの内容を体験してきました。
いきなり大量のLEGOブロックが机に広げられ、その部品を自由に組み合わせて作品を作る(ただしモーターを必ず組み込む)。
そして、iPadの専用ソフトを使って簡易的なプログラミングを行なって作品を動かすというものでした。
がっつりコーディングするという意味でのプログラミングではなく、所望の動作をするためにはどういう命令を送れば良いかを論理的に考える「プログラミング的思考」というものでした。子供の頃こんな教室があったら入りたかった。
余談ですが、限られた部品の中で作ることはかなり思考体力を消耗します。凝り性の自分はギミックにこだわりすぎて肝心のプログラミングの時間がほぼなくなるという失態・・・
同じ卓だった3人の作品を載せておきます。さあ僕のはどれでしょう?
さて、アイスブレイクはほどほどに本題に入りましょう!
今日は昨日に引き続き長方形が題材になっている問題です。おそらく昨日の問題よりは解きごたえがあると思います。(昨日の問題はコチラ↓)
2009年の算数オリンピックのトライアル問題ですが、予選にしてはむずかしいのかな?と感じました。
【問題】難易度:★★★☆☆
長方形ABCDにおいてAB=1cm、BC=4cmである。さらに、辺AD上に角BPC=90°となるように点Pをとる。このとき角ABPの角度は?
【解説】↓
シンプルな図の割に方針が立てにくいと感じました。
脳内の引き出しをフル活用しつつ、いつも通り見ていきましょう。
問題の状況を図にすると下のようになります。
学校の教科書にも出てきそうなくらいシンプルな図ですね・・・
具体的な数手は出てきませんが、足して90度になるような角度があるので印は付けておきましょう。ここでは(●)+(×)=90°です。
すると、色をつけた3つの直角三角形が相似であることがわかります。本問題では●の角度を求めればいいということになります。
ここで、本問題を特徴付けることは以下の2点です。
- 角BPC=90°(上のようにたくさん相似や同じ角度が出てくる)
- AB:BC=1:4(この長さの比率だから角度が綺麗に求められる)
離れている●と×は1箇所にまとめる(和がわかってる角度は1つの角に寄せ集めると定量的に扱えるメリットがある)ことが有効だと気付いた人も多いかと思います。
しかし、●も×もたくさんあり、どこをまとめるか迷いどころです。
ABとDCをくっつける案もありましたが、自分は下の図のように図を180°回転させたものをひっつけました。
なぜことらを選んだかというと、内部に長方形が爆誕し、増える情報量が格段に多いからです。
長方形は2つの対角線の長さが同じであるだけでなく、その交点は対角線の中点となります。(下の図を参照)
そして、下のような三角形PBQに注目しましょう。すると、正三角形の半分の直角三角形が潜んでいることに気づくと、この三角形の角度は全て綺麗に求められます。
ここで喜んで気を抜かずに。求めるべきは角ABPでしたから・・・
角ABP=15°
以上になります。シンプルな設定の問題ほど難しいという場面は多々見かけます。
見た目に騙されないように常にいろいろな可能性を探れるようになりましょう。
いろいろな可能性を探るスキルは算数や数学だけにとどまらず、日常や仕事にも役立つはずです。
ではお疲れ様でした。
※追記
問題の図を左右反転させたものを重ねても同じようなロジックで正解を得られます