小さな成功体験の積み重ね

こんばんは。

夜な夜なブログを更新中です。

 

最近になってありがたいことに「ブログ見てるよ」「いつも楽しみに待ってます」「今日こそは解きたい」「解説がわかりやすい」など、ブログ関連のことを話のネタにしてくれる人が増えてきました!

当ブログにご来訪くださっている皆さん本当にありがとうございます。とても励みになります。

 

こうやって声をかけてくれる中で圧倒的に多いコメントが「なんで解けるの!?」です。

 

確かに算数とはいえ、当ブログで紹介している問題は算数オリンピックや難関中学入試の中でも粒ぞろいのものばかりです。数学という武器を持っている大人ですら苦労する問題もとても多いでしょう。

 

僕がこのような問題を解けてしまう理由はただ一つ。成功体験の積み重ねです。

算数や数学に限らず「応用問題は基礎の積み重ねだから、基礎をしっかり身につけよう」という言葉はよく耳にすると思います。自分はこれは確かに正論だと思います。応用問題はトリッキーな知識がないと解けないなんてもんだったら僕もやる気なくします。

 

しかしここには大前提が抜けていると思います。基礎を積み重ねたところで、どの道具をどの順番で使うべきなのかがわからなければ全てパァです。

何が言いたいかというと、「道具」を使って「課題を解決」したという成功体験が必要なのです。成功体験があるからこそ似たような状況が現れた時に「この前この方法うまくいったから今回も試してみよう」となるわけです。

そのような小さな成功体験を積み重ねまくれば目の前の課題に対して初手から様々な「道具」の活用を思いつくのです。

 

ここで、2016年のジュニア算数オリンピックで出題された問題を見てみましょう。

【問題】

図のような正10角形の内部に長方形がある。長方形の面積が100㎠の時、正10角形の面積は?

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【解説】

多くの人は特に何も考えず下のような補助線を引くことを考えたと思います。なんでかというと、

という事実を使って何かしら問題を解いたことがあるからです。「分割したら綺麗な状況になる」ということを知っているだけでもこの初手は思いつくかもしれませんが。

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その中から長方形をぶった切ってる2本の対角線に着目します。なぜなら

  • 長方形の対角線はそれぞれの中点で交わる

という事実を利用して問題を解いたことがあるからです。これに関しては不要な対角線を省くプロセスが入るので、長方形の性質を知っているだけではこの手は選択できません。無意識のうちに「長方形は対角線に注目するといいことがあった」という経験に基づいて手段を選択しています。

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すると、長方形は対角線によって面積が等しい4つの領域に分割されます。案の定ここでも長方形の対角線が役に立ったわけです。

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あとは正多角形の性質を使って、上の黄色の三角形を10倍してしまえばおしまいです。またしても正多角形を分割して成功を収めました。

 

この算数オリンピックの問題は難問とは言えないかもしれません。でも「対角線による分割が役立った」という教科書レベルの知識によって導かれた成功体験が次に正多角形の問題を扱う時に効果を発揮します。

現に、自分も下の記事のような難問を解く時にもそういった成功体験からくる経験則が役に立っています。

教科書レベルの基礎を覚えるだけでなく、その基礎レベルの問題を自分で解決したという成功体験がセットになって「基礎が身についた」と言えるでしょう

 

この話は算数に限った話ではありません。プログラミングでもサンプルコードの丸パクリの繰り返しで勝手をつかんだり、仕事でも「このフレームワークが解決につながったから次も試す」。研究でも「この人の論文は参考になったから今後も参考にしよう」なんてことはよくある話です。

 

大きいことを成す前に小さな成功体験を大事にしていきましょう。