解答:オリジナル問題2【2つの辺の長さが同じ三角形】
こんにちは。
今回は2日前に出したこのオリジナル問題の解答・解説をおこないます。
問題をまだ見ていない方はコチラからどうぞ。
昨日の
解答:オリジナル問題1【正方形をどう使うか?】 - 図形問題をなるべくわかりやすく解説するweblog
の記事でも書いたように算数オリンピックや灘中学などの難関校の図形問題は、かなりアタマを柔らかくしないと解けません。そのためにはこのブログで紹介するような問題をたくさんといて慣れてゆくことが大切です。
もちろん頭の体操として使ってくれている人も、訓練を続ければ解ける問題も増えて快感をより一層味わえるでしょう。
では今回の内容に入りましょう。得意不得意が分かれる角度の問題。アッサリとけてしまう人と泥沼にハマる人の二極化が激しかったです。
算数オリンピックや灘中学の図形問題を解いてゆくと、”【鉄則その3・関連性を探る】”の力がグンと上がります。
【問題】難易度:★★★★☆
次の図のように、三角形ABCと三角形PQRについてAB=PQ、BC=QRが成立している。さらに、図に示す場所だけ角度がわかっている。
このとき、角R(?の部分)の角度を求めてください。
【解答】↓
今回の問題、ぱっと見つかみどころがないように見えます。
この問題で重要なことは、「ABとBC(PQとQR)が特別な長さの関係になっているから問題が成立する。」という発想に至るかどうかです。
しかし角度がわかっている三角形ABCは我々に馴染みのある角度の三角形ではありませんから、どうにか変形して「知っている三角形」に落とし込めるかどうかです。
30°を見たら倍にして60°にするという発想を使っていきましょう。下の図のように折り返すと、"正三角形"と"36°、36°、72°の二等辺三角形"に分割することができます。
そして、三角形ABCだけに中有黙していても解けませんから、問われている三角形PQRをこの図に関連づけましょう。AB=PQをうまく利用できるように下の図のように重ねて見ましょう。上のように三角形ABCを折り返す前に重ねた人も多いのではないでしょうか。
すると、大小様々な"36°、36°、72°の二等辺三角形"が現れて、○印の等辺が沢山現れます。
前の図からの続きですが、PとDを結んでやると、合同な三角形が二つ現れ、さらに○印の等辺(辺PD)が現れます。そして、わかる角度は全部書いておきましょう(図が汚くならない範囲で)
ここで問題の本旨を思い出し、三角形PQRを含む部分だけ抜き出しましょう。
そして、このイビツな四角形PQRDを下の図のように、三角形PQRと二等辺三角形DPRに分割します。
すると、二等辺三角形DPRの等角は6°とわかりますから、
?=60°ー6°=54°
とめでたく求まります。
ちなみにこの問題の背景は、下の図のように正三角形と正五角形を引っ付けた図形から生み出しました。
算数オリンピックではこのように正多角形のコンビネーションが頻繁に使われます。
皆さんの思考法の引き出しに加えておきましょう。
次回からはしばらく算数オリンピックや中学入試の解説に戻ります。
また今後オリジナル問題を出した時はおつきあいください。
それでは!