2008年 灘中学校 9問目

さて、今回も灘中学の入試問題から抜粋です。

灘中学の図形問題はよく練られている良い問題が多く、トレーニングや頭の体操にはもってこいです。(小学生の頃の自分だったら発狂しているかもしれませんが・・・)

 

では、今日も訓練開始!

今回はあえて問題文のみ出題です。自分の手で図を描く練習のために改題しました!笑

 

【問題】難易度:★★★★☆

四角形ABCDは次のような条件を満たしています。角A=角C=90°、BC=1cm。さらに、辺CD上にDE=2cmとなるように点Eを置くとAB=AD=AEとなる。この時、四角形ABEDの面積を求めよ。

 

 

 

【解説】↓

 

どうですか?

正確な図を描くのは難しかったのではないでしょうか。というか長さの情報も少なく、どこから手をつけて良いのかわからない!のなってしまった人も多いと思います。

実際の試験では問題文はこんなに冗長ではなく、しっかり図も描かれていました。図があらかじめ与えられるということは非常にありがたいことなのです。

 

では、問題の解説に入る前に本問の図の描き方をお教えします。

まず角Aが直角であること、AB=AD=AE、そしてD→E→Cの順に並ぶことに着目します。Eの位置が決まりませんから下の図のようにテキトーにEを決めてしまいます。そして、直線DEに向かってBから垂線を下せばCの位置も決まってしまいます。

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しかしこれではBC=1cm、DE=2cmという長さの関係がうまく現れてはいませんね。つまりEはもっとBよりにあるということがわかります。そして同様の手順で修正したものが下の図です。

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これならどうでしょうか?全ての条件に合致しているように見える図になりましたよね!これにて【鉄則その1・図は自分で描く】はクリア。

一度の修正でここまで精度を高めるのは難しいかもしれませんが、これは練習あるのみです。

 

ではここから解説に入ります。次は【鉄則その2・数値を書き入れる】です。与えられた長さの情報と、読み取れる角度の情報を書いてゆきます。

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 さあ、次の一手はどうしましょうか。三角形BCEが直角二等辺三角形に見えなくはないけど果たして本当にそうだろうか。。。

とりあえず具体的な情報を引き出すために、今ある情報を駆使するしかなさそうだ。

四角形ABECに着目する。内角の和は当然360°であるから、角A+2×●+2×○=360°。

つまり●+○=135°。

ということは・・・角BEC=45°となって、三角形BCEは直角二等辺三角形!!

図を正確に描くと、このように有効な予想を立てることができます♪

 

どんどん具体的な情報を追加していきます。

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やっと四角形の全貌が見えてきました。しかし、次の一手が難しい。

書き込める情報は全て書き込んだ。。。

ということは更なるワザ【鉄則その3・関連性を探る】の出番です。本問は比がテーマでもなさそうだし、有名角45°に関する方法は使ってしまった。唯一情報がブラックボックスとなっているのが辺の長さ。。。

等辺があるので「同じ長さがあったらくっつけてみる」が使えそう。とりあえず試そう。

 

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混乱しないように元の四角形を赤色にしました。どうでしょう。なんと台形ができました!しかも面積を計算するために必要な長さも出揃っている。。。

 

ここまできたらもう教科書レベルなので計算は省略します。四角形ABEDの面積は3.5平方センチメートルとなります。

 

もちろん、四角形を4個繋げて正方形にして考えてもOKです。

今回はなかなか解きごたえのある一問だったのではないでしょうか!

 

僕も解いて解説書いて疲れてしまいました。お互いお疲れ様でした。

次回もまたよろしくお願いします。では、おやすみなさい。