1995年 算数オリンピック ファイナル
こんにちは。管理人ことdrummanです。
平成最後の夏は大荒れですね。
西日本の豪雨、近畿での大地震、台風21号、北海道の大地震・・・
いつ自分たちが住む街を自然災害が襲うかわかりません。
今一度私も災害への備えや親族との連絡網の確認など見直さないといけません。
皆さんもくれぐれもお気をつけて。
さて、今日も算数オリンピックからの出題です。
算数ということはこれは小学生が解く問題ということです。
我々大人は”数学”という武器を持っているのでさほど難しくないと感じる問題も多いのですが、算数の知識だけで解こうとしても、かえって数学が邪魔をして、大人より小学生の方がアッサリ答えを出してしまうということもあります。
算数って奥が深い・・・
では本題に入りましょう。
今回はノーヒントで行きます。
いつも通り問題は文章で提示させていただきます。
【問題】難易度:★★★★☆
へこみのない四角形ABCDに2本の対角線ACとBDを引く。
角度に関して、角ABD=12°、角CBD=36°、角ACB=36°、角ACD=24°が成立している。
この時、角ADBは何度か?
【解説】↓
ouTubeに簡易版の解説を載せてみました。(2020/08/14)
詳しい解説はいらないや!という方はこちらをご覧ください。
【ラングレー問題】 算数オリンピック 1995年 ファイナル 【解法多数】
ではいつも通り"【鉄則その1・図は自分で描く】"から。
今回はあまり見慣れない中途半端な角度が多くてフリーハンドでの作図にはかなり苦労したのではないでしょうか。
"【2006年 算数オリンピック トライアル】"の記事でも少し書いたように知っている描きやすい角度を基準にして調整するという方法がオススメです。これを繰り返していくうちにいろんな角度の感覚がつかめるようになります!
参考までに、今回の図を正確に描くと下の図のようになります。フリーハンドで描くと辺ADと辺BCが平行に見えてしまって勘違いを生むかもしれませんが注意しましょう。自分の図を疑いつつも事実(与えられている情報)にだけまずは目を向けましょう。
ではスタートラインには立てました。
次は”【鉄則その2・数値を書き入れる】”です。
頂点の角度が分裂しているところはまとめたりして情報を書き込むと下の図のようになります。三角形ABCと三角形BCDがそれぞれ二等辺三角形になっていることに気づくことも難しくはないでしょう。
※追記
対角線の交点をFとすれば、三角形ABFも二等辺三角形になりますね。見落としていました。
順調ですね。この勢いで正解までたどり着いてしまいたい。
最後は”【鉄則その3・関連性を探る】”のフェーズ。
ここで注目するのは、与えられている角度全てが12°の倍数になっていることです。
12°の倍数で最も我々が馴染み深い角度といえば60°ですよね。60°の何が嬉しいかというと、みんな大好き正三角形が利用できるかもしれないのです。こいういう関連付けは馴染みがないかもしれませんが大事です。これを機に頭の片隅に置いておきましょう。
問題の図から読み取れる角度から60°を作る方法は・・・
60°=12°+48°=72°ー12°=84°ー24°などが思いつきます。
そして、二等辺三角形があるということをうまく利用しましょう。
つまり”同じ長さの辺同士をくっつける”が有効だと予想されます。
正直、正解にたどり着く60°の作り方や、くっつけ方も何パターンもあります。
図形問題の面白いところはアプローチの仕方が人それぞれということです。
今回はそのうちの一つとして、三角形ABDと同じ三角形を辺BCにくっつける方法をご紹介します。(下の図を参照)
そうすると、角ABE=12°+48°=60°となり、さらにAB=BEという嬉しい状況になります。
ここまできたらお馴染みの『正三角形を作る』ですね。AとEを結び、角度を必要なところだけで整理すると下のようになります。
ここまできたらゴールは目前。求めたい?を含む二等辺三角形ACEに着目します。
すると、底角は78°とわかるので、?=78°ー48°=30°とめでたく求められました!
中盤にも書きましたが、この他にも回答は何通りか考えられます。
別解も別記事でさらっと紹介できたらなと考えていますのでお楽しみに。
では今回はこの辺で失礼します。