2018年 ジュニア算数オリンピック ファイナル 【その2】

こんにちは。

 

当ブログのように算数オリンピックなどの問題を扱うホームページやブログは他にも存在しますが、そういうサイトの方々はどうやって問題を仕入れているのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

 

実は大学受験の過去問なんかと同様に、過去問や参考書が出版されています自分もそういった本などからネタを仕入れています。(解答・解説はちゃんとオリジナルです!)

少し値が張るものもありますが、図形以外にもいろんな問題が載っていますし、大人の頭の体操にはもってこいです。腕に自信のある人は数学オリンピックなんかも良いでしょう。

 

 

宣伝はこれくらいにして、本題に入りましょう。今回は"2018年 ジュニア算数オリンピック ファイナル 【その1】"の続きの記事になります。前回よりはかなりシンプルな解法です。

 

リマインドのため問題も再掲しておきます。

 

【問題】難易度:★★★★☆

台形ABCDについて次のような情報がわかっている。

AB=AD、BC=5 cm、角A=角B=90°、角C=30°

このとき台形ABCDの面積は?

 

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【解説】↓

他の記事でも書いていますが、面積を求めるには「長さがわかっている直交する線分」が必要です。本問題の台形では基本に忠実に求めようとすると、上底の長さと高さが必要になるわけです。

 

つまり、台形は面積を出すために必要な要素が三角形や長方形などに比べて一つ多いのです。では、この台形の未知数を減らすべく三角形への変形を試みることにしましょう。ただしここで気をつけたいことは、長さがわかっているBCは崩さないようにすることです。もちろん他に与えられている角度もなるべく維持しましょう。

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上のように三角形EBCへと等積変形することが一番シンプルでしょう。赤の点線同士が平行なので三角形ABD=三角形EBDとなり、全体の面積が維持されるわけです。

あとはこの三角形EBCの高さがわかればゴールです。

 

ここで三角形ABDは直角二等辺三角形ですから、BDを底辺とみれば、

(底辺の長さ):(高さ)=2:1であることがわかります。

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ここで、気づきにくいかもしれませんが、三角形EBDは図のような角度と長さを持つ三角形になっています。(75°からなんとか推理したいところ)

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これをもとに三角形EBCがどうなっているかを考えると・・・

なんと、BC=CEの二等辺三角形になっていることがわかります!

ここまできたらゴールは目前。この三角形EBCは高さが簡単にわかります。

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よって、 

(台形ABCDの面積)=(三角形EBCの面積)=5 × 2.5 ÷ 2 = 6.25 (㎠)

となります。

 

【その1】の解説とどちらがしっくりくるかは人それぞれだと思いますが、全く違うアプローチでも正解を導けます。共通点は知っている図形に落とし込むということです。

  

SNSなどでシェアしていただけると励みになります!次回は角度の問題にしようと思います。お楽しみに。

では今回はここらで失礼します。