1998年 算数オリンピック ファイナル
こんにちは。
今週は石垣島へバカンスしに行ってました。
初めての沖縄県でしたが、噂に違わぬ美しい海でのシュノーケルとカヤックは最高でした。また行きたい場所リスト入りです。
そして、数日間ブログの更新ができないときはあらかじめ書きためておかないといけませんね・・・
では今日の本題です。
今回持ってきた問題のテーマは『正三角形』です。
以前も行ったような気がしますが、算数オリンピックの問題では"【鉄則その3・関連性を探る】"が非常に重要になります。
正三角形をどんどん見つけて見事正解にたどり着いてみてください!
では行きましょう。例によって問題文は文章で。
【問題】難易度:★★★★☆
角B=角C=30°、面積が50㎠である二等辺三角形ABCがある。辺BC上に点Dがあり、BD:DC=2:3となっている。さらに、三角形ABCの内部に点Eを三角形ADEが正三角形となるようにとる。このとき、三角形ADEの面積は?
【解説】↓
いつも通り順番に見てゆきましょう。
まずはお馴染みの"【鉄則その1・図は自分で描く】"のフェーズ
今回は30°やら正三角形やらしか登場しないので図は描きやすかったと思います。2:3に分けるのもさほど苦労はしないと思います。「ある程度」そう見える図が描けていればいいのです。
ちなみに、問題の状況を下の図に示しました。これに近い図が描けていればスタートラインは完璧です。
図が描ければ次は”【鉄則その2・数値を書き入れる】”のフェーズ。
問題を解くことに使えるかどうかはわかりませんが、新しく付け足した情報は赤色で示しておきました。
上の図で付け足した情報を言葉で書くと、
- 底角が等しいので、AB=ACであること
- 三角形ADEは正三角形なので頂角は60°
- 角BAC=120°であるから、●+▲=60°
- 角BDC(直線)=180°であるから、○+△=120°
という具合です。
今回はそれなりに情報を引っ張り出せたように思います。
では最後。要の”【鉄則その3・関連性を探る】”のフェーズ
記事の序盤で『正三角形』という強力なキーワードを出したので、それに沿って見てゆきましょう。
一つ前のフェーズ"【数値を書き入れる】"で集めた情報を有効活用できるように、このブログでも頻出である”同じ長さをくっつける”や”足し算して値がわかる角度を寄せ集める”を試して見ましょう。
また、三角形ABCの底角30°は60°の半分であることも活用したいですね(正三角形に絡めたいので)
こんな冗長な説明する必要もないかもしれませんが、三角形ABCを3つ集めて下のように正三角形を爆誕させることができます。これは頻出テクニックですので覚えておいて損はないでしょう。
そして内部の3つの小さい正三角形の間の角は●+▲=60°になりますね。
今回のこの図で攻めるとしたら○+△=120°は必要なさそうですね。となると、前のフェーズ"【数値を書き入れる】"で引き出した情報は全て使いました。
未使用な情報は『面積が50㎠』と『BD:DC=2:3』ですね。
今回は面積を求める問題なので、比をうまく使うことが先決です。
つまり、青い正三角形先と三角形ADEの面積比を出したいので、比を先に処理しましょう。
面積比を考えるとき、三角形を作り出し(三角形に分割する)、その後全体から引くという方法がポピュラーです。これは”【2016年 灘中学校 8問目】”でも同じ方法を取っています。
では下の図のように2:3をうまく利用する補助線を引いてやりましょう。
上の図のように3本の緑色の補助線を引きましたがここでまた嬉しい発見があります。
それは、この3本の補助線によって新しい正三角形がみつかることです。
(もちろん「正三角形がヒントになりそうだな」と考えて先にこの正三角形を作り出し、その後「あ、これなら面積比も考えやすそうだな」という順番でももちろんOKです。発想の仕方は人それぞれです。)
では考えやすいように緑の正三角形と三角形ADEを取り出してきます。
線などの情報が入り組むときはこのように必要な部分だけ取り出すことも効果的です。
すると、上の図のように正三角形ADEを等積変形させてやると、三角形ADEは緑の正三角形の1/3の面積であることがわかります。
では最後の仕上げです。わかりやすいように色をつけておきました。
青い正三角形の面積を25とすると、緑の正三角形の面積は25ー3×(2×3)=7となります。
元々の三角形ABCの面積が50㎠ですから、青い正三角形の面積は150㎠。
よって、緑の正三角形の面積は150 × (7/25)=42 (㎠)
そして、三角形ADEの面積はその1/3であるから、(三角形ADEの面積)=14 ㎠
いかがでしょうか。どんどん正三角形がみつかるって、問題の指示抜きにして面白いと思いませんか?
面白いと思ってくれたあなたは図形と仲良しになってきている証拠です。そうでない人も、このブログで示した3つの鉄則をフレームワークとして活用してもらえたら嬉しく思います。
では今回は以上です。お疲れ様でした。